キャタリック燃焼
世界の薪ストーブの概念を覆した“キャタリック燃焼”
かつて自動車は大気汚染の元凶といわれていました。しかし排出ガス低減を促す触媒装置によって画期的な効果を上げています。ダッチウエストは、この触媒(キャタリックコンバスター)を薪ストーブの排出ガス低減のために世界で初めて採用しました。
燃焼室で燃えた薪の排出ガスは、一次燃焼の段階では低温燃焼のために不燃焼ガスが発生します。この不燃焼ガスをハニカム構造のキャタリックコンバスターに通過させることによって、不純物の90%をも再燃焼させることができます。そればかりでなく、バッフル板による従来の二次燃焼方式に比べ50%以上も高い熱量を取り出し、25%もの燃料節約を実現します。
キャタリック燃焼の最大の特徴は、低温から高温までフルレンジでクリーン燃焼を実現している点です。就寝時に燃焼を弱くしても、触媒による高効率な熱量確保とクリーンな排気能力を持続し、目が覚めても薪ストーブが部屋中を暖めています。
元来、環境負荷の低減を目指して開発されたキャタリックコンバスター。燃焼中に外に出て煙突をご覧ください。かげろうのような空気の揺らめきが見えるだけで、煙を確認することはできないでしょう。大気に汚染物質がほとんど出ていないことの証です。

高コストパフォーマンスの最新燃焼システム
触媒装置を使った排出ガス浄化の方法以外にもクリーンな排出ガスをつくるシステムがあります。これらは非触媒方式と呼ばれ、現在、大きく分けて2つのシステムが開発されています。エンライトが採用している“リーンバーン燃焼”もその1つです。
リーンバーン燃焼とは、自動車エンジンなどに採用されている希薄燃焼システムのことで、通常より少ない燃料で高い燃焼効率が得られるシステムです。この概念を薪ストーブの燃焼に採り入れたのがリーンバーン燃焼です。
通常の燃焼は、薪から発生する可燃ガス(燃料)1に対して空気が14の割合で燃えています。これに対して、リーンバーン燃焼では空気が20~25の割合で燃えるように設計されています。つまり、燃焼用の空気を多く採り入れて熱効率を高め、それによって燃料(薪)消費を低く抑えます。さらに、完全燃焼に近づくために排出ガスもクリーンとなります。
エンライトは、高温度燃焼に耐える耐火セラミックの採用と、空気の乱流・撹拌を起こさせるシューリフラクトリーの搭載により、着火しやすく燃焼状態も非常に安定しています。また、エンライトにはセラミックファイバー製の再燃焼ボックスが燃焼室後部に組み込まれていて、可燃ガスが複雑な経路を通りながら高温空気と混ざり合い再燃焼され、クリーンな空気となって大気へ排出されます。

クリーンな燃焼をシンプルな構造で実現
アメリカの厳しい排出ガス規制に対応するため、さまざまな燃焼方式が開発されました。キャタリック燃焼やリーンバーン燃焼にはおよびませんが、現在では、世界の高性能薪ストーブメーカーのほとんどがクリーンバーン燃焼を採用しています。その理由は、メンテナンスさえしっかりとしていれば、クリーンな排気を何年たっても保ち続けるという点です。さらに、構造がシンプルというメリットもこのクリーンバーン燃焼の大きな特徴です。
クリーンバーン燃焼は、キャタリック燃焼やリーンバーン燃焼とは異なり、一つの燃焼室内で一次燃焼と二次燃焼を行います。再燃焼室をもたないため排気を煙突へ直行させるバイパスダンパーも必要なく、運転はいたって簡単です。
二次燃焼の方法は従来式と同じで、燃焼室上部に設置されたバッフル板(熱が逃げるのを防止する板)の付近で二次燃焼を行いますが、ここに二次燃焼を促進するための新鮮な空気を放出する空気孔が設けられています。この新鮮な空気を二次燃焼部分に供給することで完全燃焼(クリーンバーニング)を促します。
構造のシンプルさは、壊れにくさにもつながります。堅牢に作られているダッチウエストのクリーンバーン燃焼モデル「エリート」「エントリー」「ランドルフ」「ベセル」「コンコード」「プリマス」は、いずれも着火、安定燃焼、メンテナンスが簡単であるため、初心者からベテランの方まで幅広くお使いいただいております。
